「才能無いなら死にたい」、と、今世紀生まれのアイドルが言った

「その年ならそろそろ落ち着きたくなる頃だね」とか

「仕事で転機だね」とか、

あまつさえ「今が一番楽しい時期だね!」と決めつけてくる人がいて、

 

「貴様と同じレールに乗ってないのに何わたしの運行予測してんだよ!

私はレールから外れた暴走トロッコで常に転機だ!」

「年齢で人間を輪切りにすんなよ!」

といつも苛立っていたのに、

 

そんな私は本を読むとき必ず、

見返しの著者の生年を調べてしまう、1986を超えているか。

 

平成生まれの才能のある彼氏、

まだ学生なのに学外で個展開く美大生、

今世紀生まれのアイドルは最早人類史をアップデートする勢いで、既に、完璧に、美しく、ツイッターに後の黒歴史を書き出さない分別も覚悟も持っており成長期も思春期も無い、そこまでいけばもはや嫉妬でなくちゃんと崇拝できる。

 

私の才能に水をやれるのは私だけで、可愛い可愛いめちゃめちゃ可愛いって言ってずーっとずーっとひたすら愛でてあげるだけでよかったのに。よその子と比べて、変なお塾にも入れちゃって、ハア犬を飼う方がよほど簡単だ。

 

犬に生まれて、杭につながれた鎖をほどかれて散歩に出るだけでめちゃめちゃ幸せなように、利き手の逆の手で持った鉛筆で描く落書きのように、私は私の文章をあっけらかんと愛して、楽しんでいるだけでよかった、そうすればよかった。

 

大好きだよ、面倒臭くないよ、

『君の欠損が見えるよ、そしてその欠損は私だけが埋められるんだよ』、と思うことが、恋愛の定義だと本で読んだ。

 

 

 

才能無いなら死にたい、とアイドルが言っていた

 

すべての言葉は長めの遺書だ。

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