死んだ文字を書く物書きは 生き過ぎるほど生きるバンドマンに永遠に嫉妬する

JAMFESで会ったら本をあげる約束をしている男の子がいた。
しかし彼のライヴがあまりに良くて、ぐっしょぐしょの汗で顔をきらきら光らせた彼がステージから降りて私の横にしゃがみ込んで来た時、私は本を渡せなくなってしまった。
 
彼は今20分老いた。
生きるための貴重な燃料を燃やして我々を殺し、また蘇らせた。
 
本はもとから死んでいる。
私は彼に、家で椅子に座って一時間やそこらじっとして私の本を読んで欲しく【ない】と思ってしまった。
 
今生きている人に生きていて欲しいと思った。
君の熱量は君の仕事をするために使ってほしいと思ってしまった。
 
 
 
こういう理由で、私は自著の扱いが極めて雑である。
 
 
 
物書きは常に、瞬間芸術屋に嫉妬する。
なぜ、ライヴハウスに行くと落ち込むとわかっていても、何度も行ってしまうんだろう。
君を生かすため、君の今を見届けるために、常に死んでる文字を書きつけるだけの私は自分の仕事は後回し、自分をスポイルする。
そして今日もやるべきことをやれなかった、と、落ち込む。
 
唯一の解決方法は、君を主人公にした小説を書くことだ。そしたらすべては「取材」という名の下で救済される。
 
 
 
こういう理由で、私は彼氏ができないのかもしれぬ。
(昨日言われた)
(何でも書かれそうで怖いって)
 
書くことが最大の愛情だって、なんでわかんないんだよ?!!!!!!
 
 
実はライブ中、私の顔だってぐしょぐしょの涙できらきら光っていたはずなのに、客電の暗さに紛れ、誰も私に惚れない。
 
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