純粋無垢な「君」への愛を歌う少年は 処女を抱きたがるおっさんへ滑らかに移行する

最近気付いた、全てのおっさんは少年だったんだ。若けりゃいいと思って許してると、あいつらすぐに、微妙に金とプライドと脂肪を蓄えた臭い生き物に転生しちまうんだ。
 
少年性全開の、つまり私の大好物の歌詞を書く年下の男の子に、
この歌、すっごくすっごくいいんだけどさあ、なんかある時ふっと『ストーカーの歌っぽい』って思っちゃって、そしたらそうとしか聴けなくなっちゃったんだよね」って言ったら、あっさり、
「そうだよ」
と。
なんだよ分かってやってたんかい、純粋無垢な「君」押し付けフォーマット。
 
だいたい若い男の子が書いた曲に「君」が出てくると、頭に何も入っていない純粋無垢で白いワンピース着て浜辺か草原に佇んでる色白黒髪の女の子が浮かぶものだ。
 
そんでもってこの「君」というのに「僕」が片想いしてる(両想いかもしれないが、とにかくこの愛の対象である「君」は頭の中に何も入ってないノータリン感があるので「愛し返す」という行為さえしなそうだ)(というわけでおおむね片想い)という設定になってるのだが、
 
片想いゆえの押しつけがましさが全開、うっとおしい「君に伝えたい」「君に見せてあげたい」「君は知らないよね」あるいは「君はこんなこと知らないでほしい」、そして「君のこともっと知りたい」のオンパレードになっており、そりゃもう処女抱きたがるおっさんまっしぐら、と言わずとも若い女子にやたら説教したがるおっさん紙一重なのだ。
 
冒頭の彼は言った、
「そもそも会話の中で使わない言い回しは、怪しい。嘘を含んでいる可能性が高い」。
確かに、実生活で『君』とか言わないよね。あと『〜のさ』とか。
「歌詞の中では、むしろ実名を出した方がいいと思ってる、このyoutube冒頭一曲目とか」
なるほどな。
 
実名を出せないから「君」を使用している歌詞というもの相当にあると思うけど、まあとにかく、彼が純粋無垢な「君」フォーマットを無自覚に使用しているわけではないと知って、なんだかホッとした。こいつは、処女厨のおっさんにはならなそうだぜ。
 
最近の彼は、「ボーイミーツガールの全否定だよねwwww」とのたまいながら、「女から! 借りた金は! 返さなくて! いー!」と連呼する曲を作っておる。破壊と創造、セルフレイプは製作者の宿命。
 
 
蛇足
「少年性て何」って聞かれそうなのでざっくり書いておくと、

・ここではないどこかに行きたい
・今の自分よりもっとでかい自分になりたい
・止まるくらいなら死んでやる
・友情に熱く、一人称がすぐ「俺たち」
・本当のことを知りたがる ゆえに大人の嘘や辻褄合わせに極端に反抗
 
などが、私の言ってる「少年性」です。今書いてて思ったけど、「ここではないどこかに行きたい」けれど、一緒に行くのは少年同士。少女を連れてく気なんて無いわけで、だから少年の恋に深みは無い(少女と分かり合う気が無い)。「君」フォーマットが空虚なのは当然だなあと思いました。
 
しかし、
女には追随できない「少年性」の歌も、女に支持される。
男には追随できない「少女性」の歌も、男に支持される。
 
私はSuiseiNoboAzが好きだし、彼は大森靖子が好きだ。
 
意味不明は最高に尊いし、たとえ処女厨のおっさんと紙一重と気付いても、私は少年性の歌が大好きなのだった。
 
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