東浩紀「弱いつながり」〜大森靖子は「ググって出てくるところならどこだって行けるよね」と言うし東浩紀は「グーグルが予測できない言葉を手に入れよ」と言う2014年だなあ

 あずまんこと東浩紀氏の新刊「弱いつながり」を読んだよ!

要約とナイスな挑発文は帯に書いてあるとおりだ



しかしタイトルが控えめだな…

「ょゎぃ……っながり……」



……

さて、まずは「ネットは強いつながりをより強くするメディアでしかない」と喝破する東氏が気持ち良いです

(※強いつながり 
血縁とか友人とか職場とか趣味が同じ人。
頼りになるけど今の自分と環境が似ているので転機は与えてくれない事が多い。
※弱いつながり 
パーティでたまたま隣になった人、旅先で会った人など。
自分とはバックグラウンドが全然違うため、思わぬ刺激やチャンスを与えてくれることがある。
もちろんとんちんかんでうざいことを言う時もある)

だいたいの人は「ネットがあれば知らない人ともつながれる!」と思ってるし、それは嘘ではないのですが、
だいたいの場合は検索ワードでピンポイント爆撃しためちゃめちゃ気の合う人と仲良くなってるだけなので
「強いつながり」の強化でしかないよね

もちろんそれはめちゃめちゃ大事だし、
趣味の合う友達を長らくリアルで見つけられなかった私はTwitterで趣味のことを話しまくることによって
だいぶお友達が出来るようになったというありがたい事態もあるのですが、

ぬくいTLに自分を肯定してくれる人だけを集めて、気の合う人のRTで流れてくるnaverまとめやヤフーニュースを見て一日快適に無料で過ごせることに対してもう飽きたなあクソつまんねえなあこのまま老いるの超簡単だなあと思うこともしきりにあるわけで。

え? 
退屈なら、知らないことを検索すればいいって?
でもその自分が思いつく検索ワードだって自分の脳からヒリ出したものでしかなくて、しかも最近はグーグルさんが「あんたの知りたいことって、これだろ? あ?」ってサジェストしてくるし、Amazonも楽天も履歴から商品おすすめしてくるし、なんだか自分の脳の中ぐるぐる回ってるみたいで全然外に抜け出せる気がしないんだよ

そんな我々に、東氏は「新しい検索ワードを手に入れるには、環境を変えるしかない」と言います

だよね、自分の脳で「自分、変わる!」とか言っても変わるわけないけど、環境変われば強制的に変わるよね。
だからこそ、
「こ、このままではクソつまらない人間になってしまう!」
と焦った私は3月に仕事やめて4月からは水商売などをやっているわけで、まさに首肯するテーゼでした

まあ、あずまんは「水商売やれ」ではなく「旅に出ろ」と言います。

私は、4月からフリーターになって目標のために頑張ってる(ように見える)若者の自分に対して、
「やっぱ人間、生でいろんなものに触れないとだめだよね。旅はいいよ。知らない場所や知らない人に会って、見えなかったものが見えてくるよ☆」
とかアドバイスしてくる人が超嫌いなのですが、
東氏はもちろんそんなシャバのオッチャンみたいなことは言いません

私は、言葉大好き、記号大好き、ネット大好きだから、
「ネットはだめ! リアルこそ全て」
みたいな単純な言説はもうそれだけで聞く耳を持たなくなってしまうのですが、
東氏は
「我々は言葉の世界無しには生きられないし、ネット無しでも生きられない。私達は記号の中しか生きられない」
と言った上で、
「より良い記号の旅をするために、現実を旅しよう。
ネットはノイズが無い(誰かがアップしようと意図したものしか上がってない)から、リアルでノイズを入れよう」
と提案しているのです。

言葉、記号、ネット大好きだけど、その中だけにいるのも閉塞感があり「変わりたい」と思っている私にとって、とてもタイムリーにヒットした本でした。

逆に言うと、「変わりたくない」と思っている人にはこの本は全然面白くないと思います。

ぬくいTLに自分を肯定してくれる人だけを集めて、気の合う人のRTで流れてくるnaverまとめやヤフーニュースを見て一日快適に無料で過ごして幸せを感じられる人には、この本は要らないと思います。

でも私、それやると、エサ食ってる動物みたいで耐えられないんだよね。

いやいや、旅に出たって、転職したって、我々は所詮エサ食ってる動物でしかないんだけど、
せめてそのことを忘れられたほうが楽しく生きられるってもんだわ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




ただ、読後にめちゃめちゃネガティヴな気持ちにもなりました。
もしこの本のすすめに従って旅をしても、私は全然変わらないかもしれないなあと。
だって私旅嫌いだし、観光地化された場所にいって表層をなでるだけの旅を繰り返しても意味ないと思ってるし。
(本の中では、表層をなでるだけの旅でも意味があると書いてあるし、書いてあることは納得できるのですが、
なんか実感として私、今までそんなに意味があった旅が無い……)

てか出不精だしぶっちゃけめんどくさいとか思っちゃうんだよね……家で本読むかネットをすれば、たとえノイズ無しの記号だとしても何十倍の早さで摂取することができるし。ついつい楽な方へ流れてしまう。

本には
「旅先では、普段美術館に行かない人も、「パリに来たからせっかくならルーブル寄ろうか」となる。普段なら絶対買わない変なお土産物を買ってきてしまう。それでいい」
と書いてあるのですが、私、
「日本でも行かないのになんで外国でわざわざ美術館行くんだよ」とか
「日本に帰ってきた時に後悔するから変な土産は買わない!」とか思っちゃうんだよね……

そもそもリアル書店でさえ嫌いで、本はAmazonで買う奴だしな……
リアル書店で迷ったり、関係ない本につい目が行って時間が潰れるのが嫌なのです

要はこの本の言い方でいうと極度の「ノイズ嫌い野郎」なんだよね……本当、度し難い程度に。
だから旅に出てもノイズを拾わないように閉じちゃう可能性があるかもしれないんだ……。

(ここらへんについては、旅のアドバイスなど色々書いてあったので、もう一度注意深く読んで考えてみようと思います…)

あと、旅をするとお金が減るのが嫌だwwww
あと、無駄に長い時間かけて遊びに行ってしまったと思って罪悪感にかられて鬱になるwww

なんで今私がバイトで変わろうとしているかというと
「お金を貰える」
「お金を貰う代わりに逃げられない(ノイズから逃げられない)」
「お金をもらう=誰かに喜んでもらえるってことだから意味がある(と思える)」
などがあります。

全然興味ないことやくだらないことだと思っても、仕事に必要なら学ばないといけないし、
クソつまらないなと思っても客の話は逃げずに一定時間興味のあるふりをして聞かないといけないですね。
それが私の精一杯のノイズ拾いだし、お金が貰えると思ったら前向きにやれます。

ノイズ拾いというと言い方は悪いけれど、実際にお客さんの数人と仲良くなったり、
面白い場所を教えてもらってそこに行ってみたりもしています。まさに弱いつながりって感じ。


うん、そうだ、今度あずまんに会ったら「旅じゃなくて、水商売じゃだめですか??」と聞いてみようwwww

(本書で触れていた、「移動時間に普段と違うことを考える」「日本語世界からシャットアウトされる」という旅の特性は満たせないけど、まあ手軽だしお金も増えるという点ではメリットもあるだろう)(いやでもそれは「観光客」じゃなくて「村人」になっちゃうからだめなのかなあ。ようわからん だめっぽいな)



なんか自分にひきつけて読みすぎてアレかもしれないけど、
とにかくおもろい本だったので是非読んでくださいな!!

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